時は1987年、日本はバブル景気真っ只中、若者達はデザイナーズブランドに身を包み、高級車を乗り回す。そんな身の丈を超えた生活に感覚も麻痺し、高額なローンの支払いや、将来への不安も感じない、熱病に浮かされたような稀有な時代だったと思います。
私はといえば、某保険会社に就職、社会人1年目を過ごしていました。ちなみに、月給は15万5千円、週休2日で、ボーナス年2回という勤務条件でした。
バブルとはいえたいした給料ではありませんでしたが、契約1件につき保険料の何%だったかを、インセンティブとして上乗せしてくれたので、そこそこの収入があったと思います。ただし、ほぼ毎日サービス残業、休日のサービス出勤も珍しくなく、就業後は毎日のように先輩や上司との飲み会を強要され、毎回同じ自慢話かお説教を聞かされ、仕上げに下手くそな歌に拍手喝采するという、心身共に疲弊し、”これでいいのか?俺”と自問する、悶々とした日々を送っていたのでした…。
そんな時、暇つぶしに買った大リーグ総集編のような本で、ある選手の存在を知りました。
当時メジャーリーグがテレビで扱われる事はまれで、映像を見る機会は、佐々木信也さんがMCを勤めていたプロ野球ニュースで、たまに放送していた大リーグ珍プレー好プレーのようなコーナーか、数年に1度秋に開催されていた、日米野球くらいだったと思います。テレビやネットで毎日のように試合を見る事が出来る現在とは隔世の感を禁じ得ないのでした。
漠然とメジャーリーグに対して興味や憧れがあっただけの私が、本格的にのめり込み、今に至るきっかけとなった選手。
その男の名は、マーク・マグワイヤです!
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